光りと影
今日のワークシュップはイッセーと小松政夫さんの二人芝居の照明を吊る事から始まった。クェストホールは普通の劇場とは違って、照明をバトンではなく長方形のトラスに吊るのでワークショップ的には好都合だ。チーム分けして、各チームが照明図を片手にトラス一本を担当する。技術を軽視した今回のワークショップの唯一の技術実習だ。
吊りおわると、スタッフがシュートを行い、参加者達はロビーで二人芝居の話を聞く事になった。演出家の森田が今回の二人芝居のあらすじを教え、みんなにそれ用のシーンを作るよう命じた。
見てもいない芝居のためのプランを立てるのだ。たしかに照明が初めての参加者達にとっては思わぬ展開だろう。しかし、今もイッセーの照明を作っている「フーリがん組」を築き上げたポールさんも、台詞をいっさい理解せず、ただ訳された粗筋と視覚だけを頼りにすばらしい照明を作り上げている。
森田が「とにかく、挑んでくれるといい。面白い出来だったら役者も刺激され、新しい発展があるかもしれない。駄目なら普通に戻せば良いだけの話だ」と言うと、全員がまたチームを組み、メモと照明図をもとに相談を始める。
今日は、芝居中心のシーン造りになる。キャバレーの舞台裏の廊下、夕暮れ旅館の和室、宴会場の舞台、夜中の部屋、キャバレーのステージ、そしてオフィスビルの一室。
気合いが入り、昨日よりも、照明室へ出す指示がしっかりして来て、失敗に気付くのも早くなった。昨日盗み得た教訓を活かし、より想像力をくすぐる照明が生まれて来る。中には、シンプル過ぎて普通は作りそうにないながらも、実際に見ると面白い工夫もあった。
しかし、やはり言われなければ気付かない落とし穴もある。例を上げると、舞台中央の「8番」灯は、何故か少なくても三人に一人が指命する程人気があったが、実を言うと殆ど役にたたない灯体だった。その理由は、ステージ中央の直径6尺だけの円しか照らしていなかったからだ。舞台中央にモデルとして座っているポチオ君が激しく歩き回らないので良いものの、実際は役者が少しでも動けば闇に包まれる事になる。
とは言え、そんな落とし穴こそがワークショップの愛嬌かもしれない。森田が言うように、本当に興味がわいた者はこれから勉強す機会はある。それに、今回限りの参加者にとっても、この経験は一種のお遊戯としてとらえれば、面白い体験として満喫出来ただろう。
ワークショップが終わると、参加者全員にこれからイッセーの芝居にどう付き合いたいか聞いてみる。中にはとにかく今回のワークショップだけを目的に来ている者もいるが、やはりこれからも係わりを持ちたいという参加者の方が圧倒的に多い。
面白いながらも決して華やかではないイッセー尾形・らと付き合うには、ある意味では常人放れした神経と応用力が必要だ。一般的な芸能界のイメージとは余りにもかけ離れているので、きらびやかな世界に憧れている者は、距離を取って「お客さん」の立場を持ち続けた方が良いでしょう。しかし、例え年に一度でも積極的に付き合いを続けたい参加者がいれば、場合によっては何時の日か「次世代フーリガン組」が生まれるかもしれない。
もしそうなったら、世界の反対側にいるポールさんに吉報を伝え、一緒に祝いたいものだ。

照明トラスの回りに30人もの集まると、東京ドームのコンサートと同じ規模に見える。今回吊る灯体は数十本に過ぎず、実際は二人か三人で事足りる

初めてなのに見掛けだけはプロっぽい

三人がかりで吊り位置の確認

「ここあたりかな、、、」

トラスも近くから見ると案外と大きい

落下防止のワイヤは絶対不可欠

カラーフィルターを選ぶスタッフ

後ろ姿だけはこの道十年

元祖フーリガン組長ふとし君。飾り気のないステージは、簡単な明かりでも映える

調光室からの眺め
わけもわからなく緊張と混乱に満ちていた一日目に比べると、遥かに二日目の方が気が楽になっていた。ホールの扉を開けると、すでに・らスタッフの方々がロビーになごみ系のゆったりとした空間を築いていた。
参加者の方々が次第に集まってくる。時間きっかりにほぼ全員が集まり、実際に照明を吊るしていく作業に入る。今日やることのほとんどはもう昨日のうちに説明を受けていたので実際に作業をしてみようというところからはじまった。
一旦全体の照明を取り外して、順々につけていく。頭上から照明がいくつもぶら下がった鉄棒の塊が下ろされる。昨日教わったフレネル、ソースフォー、パーといった種類の照明に色付きフィルムや音符型に切り取ってある鉄板が入っている灯体もある。コンセントを抜き、鉄製のワイヤーを外し、照明の角度が斜めになっているのを真下に向け固定する。スポットライトの蓋を閉め、直接棒のところに固定されていたねじを緩め、取り外す。
ものすごく高価そうな一つ一つの照明を赤子でも抱えるかのように扱う。
全て取り外したところで今度は取り付ける作業に。渡されていたプリントとにらめっこしながら間違わないようにと不安な思いで取り外しと逆の作業をしていく。
取り付ける場所によってはフィルムの取り付けなんかもしなければならない。慎重に取り付けようと心がけて、これでよしと安心していると「これ向きが違う」と即座に間違いの指摘が入ってきた。
照明の取り付ける方向が逆を向いていた…
すべての照明を取り付けるといったんロビーに出る。一つ一つの角度の微調整は・らスタッフの方々が確認する。雄三さんから課題が出される。例のシチュエーションを作れというものだ。
実際にイッセーさんと小松さんが舞台で芝居する設定を一つ一つおおまかに説明され、その中から気に入ったものの空間を3人1組で作っていく。宴会後の旅館の部屋、街金の怪しげな会社、キャバレーの舞台と、大きく3つに分けられた状況の中から、自分のところは「キャバレーの舞台」を選んだ。
20分ほどでどの照明がどの番号でというところの確認をすました。他の組のパターンを見ながら、そうなるかぁと焦ってもいた。
「あんたここから直していって」
「何言ってるかわかんないよ」
「まとまってきたじゃない」
「水彩絵具やったことあるよね?」
バシバシと突っ込みが入っていく中、自分たちの番がやってきた。この光はどこが光源で、どこの色が反射してと結構予測をたてていたつもりだった。でも実際に光を当ててみると光が光を打ち消し、滅茶苦茶な結果となった。
「こりゃだめだな」と言われてしまうのも無理もないことだった。
ここでワークショップは終了。「スタッフとしてやっていきたいと思う人は残ってください。」という宣言で帰る人は帰っていった。ほとんどの人が残ってロビーに集められ、面接が始まる。
清子さんが面接官として接する。その間雄三さんは皆が書いてきた前日分の日記を読んで、特にひどい日記にアドバイスしたりよい日記を書いてきた人の顔を確認したりしていた。
面接と言っても大体が、今度の地方公演は何月だから来れる?といった確認作業で他には日常生活何をしているかなどの質問に終わっていた。前日に採用に当落があるという話し方をしていたので誰が採用だ!という展開を予想していたのだが、実際は残った人全員が地方スタッフとして採用されることになった。
ワークショップの最後に雄三さんが前に出てきて話をしてくれた。
「こうやってどことどこ点けてって命令したのが実際舞台作ってくんだから楽しいでしょ。」と。
その台詞から始まった話の結論となった「幸福は時間だ」という雄三さん流の哲学は説明された直後はあまりよく自分の中で消化しきれなかったが、帰りの夜行バスの中でやっと輪郭が見えてきた。
もしスタッフに採用されていなかったとしてもこの最後の哲学が聞けただけでも結構収穫は大きかったなぁと頭の中で二日間の余韻に浸っていた。
8/16(火)照明ワークショップ日記
ワークショップ2日目。今日も午後1時スタート。昨日よりも参加者同士見知った顔が見えると、ホッとしている。
昨日吊るしこんだままの一人芝居用の照明をばらし、二人芝居用の照明を吊るしこむことから始まる。
灯体?を全て外し終わり、3〜4人のグループにわかれ、「小松さんとイッセーさんの二人芝居」の照明図面を見て吊るしこみをする。必要な灯体?を自分たちが吊るしこむ下に選んで持ってくる。天井から1列おきにバー(?)が下ろされる。「下ろされていないグループは、作業しているグループのやり方を見ておいて〜」とスタッフの方の声がかかる。昨日聞いたばかりなのに、取り付ける順序があやふやだったり、コード処理に四苦八苦したり大変だ。講師の人たちがポイントポイントを教えてくれる。「一つの照明にはコンセントの番号はひとつだから、何番を使ったか声かけて教えてやって〜」と声がとぶ。吊るして、色が入る所は色を入れる。灯体の角度を調整するネジは突付いたら少し動くくらいがいいのは、後で微調整するとき下から棒で突付くためらしい。なるほど。何とか吊るしこみが終了した。
ロビーに戻り、森田さんから二人芝居の場面が説明される。
「懇親会旅行」「トシちゃんとワタル」「社長と部長」の3本。説明を聞いているだけで、笑ってしまう。小松さんとイッセーさんの姿が目に浮かんだ。
やりたい場面を選びグループにわかれ、それぞれのネタの1場面の照明を15分で考える。今日は何灯でも使ってOK。私たち3名は『「トシちゃんとワタル」のキャバレー裏で次の出番を待っているコンビ』の場面だ。メインの照明を決め、あれこれと何灯か足したり引いたりするもなかなか決まらず。森田さんが「一度順番に点けるから、それを覚えておいて」と皆でホールに移動。
ホールの中ではスタッフの方が脚立にのり、さっき吊るしこんだ照明をテキパキと微調整していた。1〜43番の照明が順序通り点灯していった。使おうと考えていた照明が思ったものとは違って、また考え直しようやく決まった。15分が経ちホールに移動し、いよいよグループ毎の発表だ。それぞれの照明は修正していくと「なかなか」と思うものもあれば、「?」と思うもの様々だった。私たちには「ダメ!」が出た。本番ではどのようになるのだろう。
森田さん、照明講師のフトシさんからの講評、感想でワークショップが終わった。
ロビーでは希望者が清子さんと個人面談を行った。スタッフの方が切ってくれた美味しい西瓜を食べながら面談を待つ。2日とも参加した全員が面談し、自分の手伝えそうな地域に参加することになった。その日が待ち遠しい。
森田さんはじめ、照明のフトシさん、ポチオ?さん、ムラタさん、スタッフのみなさん、2日間ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
照明ワークショップ2日目(最終日)
ワークショップ2日目、こんにちはと言いながら入ったら数名のスタッフと参加者から、おはようございますと返ってきた。ああそうだった。大阪から来られた李さんが話しかけてくださる。もう何年も大阪公演のお手伝いをされているという。参加者も地方からの方が多い。このように浸透しているのだとわかる。
間もなくスタート。森田雄三氏のレクチャーに聞き入る。自分の指示で舞台の照明が作られる経験は確かに未だかつてない。こうした非日常も俄かに日常化する、(芝居は)もともと必要とされていないものだが、すりかえるように必要という認識を作り出すのだとおっしゃる。
うーんべつに資本主義だからということではないよね・・・と心でつぶやく。慢性化した日常に越えられない壁が厚くなっていくとき、ふつふつと生まれて次第に固くなるこだわりがその芯にある。それらがいつしか消えていることが、私にとっての新しくなること。だから時間がかかる。新しくなるためには丹念に日常を生きるしかなかったように思う。現実には嘘が溢れていて、私も必要という名のもとにいろいろな嘘と少しの本当をもってそれぞれの場面を生きている。演じることが虚構ならば、嘘と嘘を掛け合わせて、そこはかとなく浮かび上がってくる本当の影に自分自身や共有しているものを想像して笑う。
物語が必要なのだと自覚するようになってからずいぶん経つけれど、時々不足して、なんとなく干からびている。あるいはその時々に心に残る様々な風景や人々の顔は、何かの物語の一部だったのかもしれない。そういうものに生かされている。
まずは照明の取り付け作業。取り外しの際コードを床に垂らしたままにしていたり、うまく巻きつけられないのをスタッフが見てくださった。割り当てられた箇所はフレネルを1人1個つければよかったのだが、隣は数が多いので待ちが長い。ちょこちょこおしゃべりしながら作業を見ていた。やりつけないのでやや緊張する。この設計図を決められるようになるにはどのくらいかかるのだろう。
本日のお題は明後日から上演されるイッセー尾形さん・小松政夫さん二人芝居の場面から。『宴会場から部屋に戻った2人の形勢逆転の図』を選びトリオに分かれて相談をする。私以外の2人は詳細に部屋の様子と光源をイメージしてそれにあわせた照明のアイディアを着々と出される。感心しながら記憶に残っている照明からどれが使えるか一緒に考えた。
具体的な場面と光源を想像し、それをもとに舞台上の基本の光としてどの照明をどのくらい使うか決め、さらに効果を上げそうな光を探す、という具合に。会場に入って前列上手の席に座ったら発表の1番手になった。女優修業中の女性が溌剌と照明を指定する。
「隣の黒い人(私)、修正ないか?」と声をかけられて、慌てて19とFの明るさを落とした。声が届かない。「使い物にならねえなあ」。う〜むそうかも。この半年ほど日常的に咳がぬけない。冷房に咽喉が反応してひりひりする。通りの悪い声には違いないし・・・。女優嬢とつくば市職員氏がさらに訂正を加えるも、結果は斬りすて御免。8は使わないほうがよかった。
続く他のグループの発表を後方の席に移動して見た。こちらからのほうが照明の効果がよくわかる。森田雄三氏から強い光を重ねることの愚が話されたが、それを舞台上に見てとることができた。
終了後お茶や西瓜をいただきながら何人かの参加者の方々と話した。私はまだイッセー尾形氏の生舞台を見たことがないのだ。まもなく森田清子氏との面接。自宅から近い会場がクエストなのでそのときに手伝うことができればとお話した。今年いっぱいで片付けてしまいたいことがあり、なかなか時間がとれない。次回は12月の予定とのこと。
森田清子氏が初日にお話された森田オフィスのありようがとても魅力的に思える。このようなシステムで動いている演劇のユニットは日本に他にあるのだろうか。非常にユニーク。(片鱗しか知らないのだけれども)
帰宅後またDVD(イッセー尾形ベストセレクション2004コンプリートBOX)を見た。参加申し込みをしてから紀伊國屋に買いに行って、毎日見ている。事前には“変哲のない”としか見えなかった照明が、昨日は少し違って見え始めて、今日はどれも相当に違って見える。光が作る空間がすでに物語の一部としてそこにあるということに思い至る。
照明によって俳優が出し物を変えることもあるというお話が腑におちてくる。何番がどのくらい使われているのか具体的に言うことはできないけれど。これは私にとって劇的な変化。予想していなかった。ひどく嬉しい。(これが日常になってもきっと嬉しい。)別のことをしなければならなくて、小声で挨拶して名残惜しい空間を後にしたのに、結局そっちのけ。
照明ワークショップ 2日目
2日目。図面を元に数日後に始まるイッセーさんと小松さんの舞台用の照明の配置に吊り変える。きのう照明の付け替え方を見せてもらったが、見ているのと実際やるのでは大違い。使用するライトを選び出し、正確な位置につけ、向きを確認し、コンセントの番号のダブりがないかチェックする。コードがライトに近づきすぎていないかも確認する。
体を使うのはもちろん、たくさんあるライトすべてに細かな目配りが必要だ。
その後、実際の舞台のシチュエーションのなかから、やってみたいものを選択してグループで照明を考える。きのうまでより場面の設定が詳細で、イメージがふくらむ。きのう1日参加したことで、「このパターンもあるしこのパターンもできそうだけど、どっちがどういいかな」と迷ったり悩んだりするのにも幅(?)がでてきた。
順番に実演してみて、それぞれ試行錯誤して直しをいれ、よりイメージに近づいていくのが面白い。解答はないが足し算引き算の面白さだ。
森田さんのお話で、「黄色に黒を混ぜると・・・」という話と、舞台の照明は暗いところがから始めたほうが面白い、という話が、実際ライトを組み合わせてみた後だったので「なるほどなあ」と思った。また、森田さんの参加者への容赦ない指摘は、これが日常、というところで止まっている普段の思考回路から、まるでモヤシのアタマをぷちんぷちんと取っていくように、どんどん変な制約が取り払われていく感じがした。
この2日、全く接点のなかったこと(照明)に触れる機会を得て、とても良かったし、面白かったと思う。
照明ワークショップって何をやるのかな?さっぱりわからないけれど、知らないことをこれから知ることができるのは何だか面白そう、と単純に考えて参加を希望した。
これまで特別興味を持ったことがない、知らない世界に手ぶらで突然ふらっと入りこんだことで、一方的な先入観や、期待や気負いとはまったく無縁に、照明というものを覗いてみよう、経験してみようと思えたし、実際そうなったからだ。
以前から興味があったり、憧れがあったりと思い入れのあるものだったとしたら、ここまですっきりとこの時間の出来事を取り込めたかどうかわからない。
ワークショップの最中、日常の思考回路のスイッチが切り替わって、「いつもはトラックを同じ方向にぐるぐる走ってるだけで、それに気づいてなかったんだなー」と感じたときがあった。
照明ワークショップ参加−二日目・原宿クエストホール
もはや日常生活において、それほど緊張する場面には出会わない。むしろ自然と回避できるようになっているのだ。わざわざ自分からそんな場面を作ろうとは思わない。しかし、自分の好きな事に取組んでいる時の緊張は心地がいい。雨の止んだ原宿に向かう時、そんな自問自答しながら二日目に立向かう。決して足取りは軽くない。 考えすぎか・・・?
ロビーに着くと、まだちらほらの参加者たち。何かリラックスしていない空気。さあ、今日も始まったゾ!と、表に出さない気合を入れつつ、頭の中で昨日教わった反復と、今日の期待を勝手に想像する。この時間も心地いい。
予定通り、18日からの舞台照明のセッティングにとりかかる。これは全員での作業となった。仕事柄手作業には慣れてはいるが、どうもぎこちない。まさに素人むき出しだ。
みんなの様子も落ち着いた雰囲気で、確かめながら楽しんでいるようだ。そりゃそうだ。今日はまだ天の声がかかってない。気が付くと客席に座っていた。そう、森田雄三だ。
さあ、来るゾ!今日の課題は何だ? ナニ? イッセーさんと小松さんの二人芝居の演目に合わせて、照明を考える? ここでまたグループ作りだ。実はこれが結構くせもの。
演劇WSでもそうだが、組む相手によって自分のレベルが変わるのだ。相手が悪いのではない。相性が悪いのだ。いや、俺が悪いのか?といってもそんな悠長なことは言ってられず、早速4人のメンバーで作業開始。
こういう時にいつもそうだが、色々と意見を言うくせに、自分で決定するのは出来ない弱い自分がいる。今日もいる。これは面白いだろうと、案が出来つつ、時間切れ。未決のまま会場入り。端のグループから発表していく。なかなか最初からいいものは生まれない。厳しい意見が追い討ちをかける。今日もまた望んでいた緊張感がでてきた。いや、待てよ、自分達だってまだ決まってもないだろうが!うあっ順番来ちった!・・・案の定、上手くいかない。照明を替えながら修正を加えるが・・・。
「もう、いいのか!」何度も森田氏の声が響く。いいわけないだろ!と、心の中で叫ぶ。
とっさに声を出し、夢中で指示を換える。こ、これは・・・この切羽詰まって追い込まれた時に、生まれるか沈むか・・・?。つくばWSで即興芝居をやった時と同じ瞬間が味わえたようだった。
WSも一通り終了し、安堵感にひたるなか、清子さんとの面接だ。今回のワークショップは照明という枠を越えた、森田オフィスの一部に触れさせていただいた貴重な時間であった。
人が面接していたのを聞いていると、まさに様々であり、他人って面白いなァと感心。自分には仕事があり、家族もいる。芝居もやっていきたい。ただ何をするにしても、とりあえず面白いことをやっていかなければ損だ。
そこにはちょっと変わった職人たちがいた。なんだかんだいってもチームワークもよい。最高の芝居を作り上げる為の、最高の職人たちだ。技術以上の心意気を持っている人たちだ。ちくしょう・・なぜだか悔しさが残る。もっと面白いことをやろうとそう思った。