突然の日常
いよいよ本番だ。
朝からの稽古が慌ただしく続き、色々な組み合わせが追加され、私も怪しげな宗教家として参加する事になる。写真も撮っているし、ここの舞台には袖がないので、登退場には気を使いそう。
公演は二幕ならぬ二部に分けら、前部が避難所の夜から始まる。やがて朝になり、日難民達が日中の勤めに出かけて行く。前部の参加者の残りも別の避難所へ移動すると、後部の参加者が少しずつ入り、絡み合う内にまた夜が訪れる設定だ。
もう公演当日なのに、今も自分の役が年齢とそぐわないと心配そうに訴える参加者がいたりする。素直すぎるぐらいで可愛く思える。遠回しに自信がない事を訴えているだろうが、演出家の森田の反応はきっぱりした「大丈夫だ。イッセーも若い人をやるし、女性もやる」だ。本番直前なので心配になっているのはわかるが、全員が自分の意志で参加している。もうやるかやめるかしかない。
気付くともう開場だ。出力している最中の参加者ブロマイドをロビーの物売の方へ渡し、急いで一口食べてから着替えしる。参加者はう皆舞台裏で待機している。慰安隊が未だ稽古をしているらしく、館長さんのトランペットが鳴り響く。岡田さんの友人のサックスプレーヤー入江さんも参加し、今回も音楽隊が気合いが入っている。
客席にはいると、時刻は18:50分だ。もう少し時間があると思いきや、公演はすぐ始まったのだ。ふしぎだと思ったが、考える間もなく音楽慰安隊が現れ、公演がはじまる。暗転後、舞台には無数の姿が寝転がり、その真ん中に政治家イッセーが立っている。
- 小泉
- 避難所の真ん中に、テレビカメラに向かって演説をする政治家イッセー。被災地のボランティアの「民間で出来る事を民間でやり、中央でやるべき事は中央でやってほしい」という言葉に感動した彼は、安心した様子で霞が関へ帰る。
- 夜
- 避難所の夜。鼾と寝言が続くなか、突然に大きな音が聞こえ、全員が反応する。皆の中には不安が残っているようだ。夜中起きて、話す組もいる。
- 社交ダンスの事を喋る母と、先輩のダイエットスープの話をする娘。
- ヤマザキ先生の話をするお婆さんと、ヤンバルクイナを魚だと思っていた息子。
- キティーちゃんを可愛いと思っているお婆ちゃんと、その話を聞き飽きて寝る息子。
- ポップコーンに病みつきになっている姉と、津市の何もなさを嘆く妹の話を聞き流す婆さん。
- アルプスの少女ハイジーで出てくる山羊の雪ちゃんの名前だけが何故日本語だろうと不思議がる女性。
- いきなり起きてショベルカーと富士山の話をする男。川柳を読むお婆さん。
- 妻に梅干しの話をする夫
- 妹にキューピーの話をする姉
- トイレを手で掃除するのが好きだという話をする女。
- 好き勝手にかみ合わない話をする三姉妹。
- 母に歌舞伎の話をする息子
- 等
- 朝
- 出かける避難民。数人残る。
- 摩擦
- 「思った事を全部口に出さない方が良いわよ。正論ばかりが正しい訳じゃないから。」
- 「人の者を物欲しそうに見るのは止めた方が良いわよ。」いわれた女性が慌てて別の女性に話しかけるが、最初の人には無視され、次には「私はほんまや思うわ」と言われ、背中を向けられてからその場を去る。
- 裏の区画に座っている女性がいきなり電話をし出す。多分その場の空気が耐えられず、流れを変えたかっただろう。
- 余所者
- ある男性を押せや引っ張れやで囲む女性たち。「この人は津の人や無いで」、と興奮している。「いや、津の人間です」と言い張る男に、彼女たちは地元検査を行う。「じゃーなー、津駅の駅ビルは?」「マツビシの5階は何売り場か?」「このへんで一番あたまのいい高校は?」
- ある女性が答えられない男を庇おうとすると、矛先が彼女に向き、男はそのすきに逃げてしまう。
- 告白
- 男性に背後から近づく女性が背中を触って告白。しかし、彼女の「好き」に反応せず、まるで何も無かったかのように別のだれかに話しかける。「はよ結婚し。皆と同じように、お前も不幸になれ。」
- そばから見ていたお婆さんが、「うちの息子はあんなんちゃうで」と頭を傾げる。
- わかれ
- 先ほど吊されていた余所者男性は、再び現れる。お婆ちゃんの側の女性に声をかける。「すんません。僕には彼女がいます。好きな人おんねん。」男が立ち去ると、お婆ちゃんは寝たふりをし、声掛けられた女性は笑う振りをする。
- 好き
- 上着を肩から下ろし、男性に寄り添う若い女性。幼稚園の先生なのに、動物に対する好き嫌いが激しい事を話す。相手の男性はどう見ても好きなようだ。
- あ、
- 知った顔を発見した男性が、女性避難民に近付く。「サンレモでバイトしてましたよね。桃井さんじゃないですか。」女性の否定を無視し、延々と昔噂になった話しを続ける男。
- エアロビ
- やったつもりエアロビクス講師イッセーが、助手とともに避難所にやって来る。体を動かさずに、頭の中で運動をする事のメリットを唱えるが、その途中に「第二避難所へお移り下さい」というアナウンスが流れ、避難所の皆が一気に舞台を降りて暗転。
- 幸せ
- 妊娠している妻と避難所へ来た男性。手当たりしだいに、自慢の姉さん女房の話を続ける。
- ここ空いている
- 話し相手欲しさに、通りがかる人を見かけては隣が空いているからと誘うお喋り婆ちゃん。その言動を恥じる二人の孫。
- 病人
- 舞台下手に座る姉妹。その隣に座った男性二人組の一人が寝込み、苦しそうに咳をし始めると、女性たちはそそくさと舞台の反対側へ移る。人が通りがかる旅に苦しむ男と、その度笑ってごまかす連れ合いの男性。彼らにとっては日常らしい。
- 蜥蜴の名前
- 次から次へと避難所に入ってくる人々。兄弟喧嘩をしている子供二人とその父親が入ると、お喋り婆さんが「あの子達のお母さん死んだんや」とはしゃぐと、孫達が「済みません」を連呼。
- 息子が学校で喧嘩をしたらしい。父親が子供たちに、蜥蜴観察の話をする。
- 不倫
- ある夫婦の区画の隣に陣取る女性二人。その一人が夫の不倫相手。妻と話す男の後ろに背中合せに立ち、足を蹴っても反応が無いので、男の手を取り、自分の胸にあてようとする女。男が手を振り払うと、女が靴を脱ぎ、男を叩く。妻はそれを見て逃げ、男は一端何もなかったかのようにしゃがむが、その後を追う。
- 近くの区画に座っている避難民達が色々な関係のない話をしだす。
- 照れ症
- 好きな娘が近くに来ているのを見て、高校生男子が外へ出ようとするが、彼女は着いて行かない。振り向くと彼女に告白され、さらに状況を把握する通り掛かりの人にからかわれて照れる彼は女子を振り払う。女子は謝り、逃げて行く。男子が何もなかったかの様に校歌を歌いながらゆっくりと彼女の後を追うように退場。
- 総好かん
- 避難所の片隅から聞こえる歌を聞き、苛立つ女性。「うるさい」の一言で静まり返る空気。突然別の方角から湧いてくる歌に、次から次へと声が加わる。うるさがる女性が靴を履くと声が再び静まり、退場すると全員が一斉に生きを吐く。
- 布教
- 避難所の人込みの中へゆっくり入る妙に背の高い異国人、その手を握る子供と、緊張気味の若い女性。怪しい三人が部屋の真ん中にある台に上ると、若い女性が喋りだす。その言葉を受け入れさえすれば皆も救われると。頷く西洋人はやがて子供にも少し話をさせ、たどたどしい日本語で姉妹たちがまだ訓練中であると説明すると、三人が冷ややかな目つきの避難民の前を通り抜けて去って行く。
- 後で「皆の為に」蛙の歌を歌いに来る小学生もいるが、かれらも同じ集団の一部らしい。
- 慰安ジャズシンガー
- ジャズ歌手イッセーが、ラメの衣装をまとい、五番目の亭主兼マネージャーと一緒に避難民を元気付けにきている。風邪をひき、声も出ず体のバランスも危うい彼女は全身の力を込めて歌うが、部屋中の男性が自分の色気にクラット来る所か、皆の目が冷ややかなようだ。
- 再び夜
- そしてまた夜がやってくる。寝静まった空間の中、喋る組だけが起き上がっては寝る。病気な男性のつれが、世の中の皆が馬鹿ばっかりだと罵る。歓声の大切さをたたえる若い女性。わらび餅を初めて食べた時の話をする人。突然また大きな音がなり、電気が点くと全員が起きて廻りをみるが、異常がない様なのでまた寝る。消灯で幕が閉じる。
「早め」に始まったように見えた公演の謎は公演後に解けたのだ。実は、開演時間が本当は18:30の筈だったのだ。演出家の森田もスタッフもそれに気付かずに稽古を続け、会場の方もさぞ焦っていただろうに、気を遣いすぎて言えなかったようだ。
なるべく良い作品を提供したいのは確かだが、時間が迫っているとわかれば観客は優先だ。見に来てくださった皆さん、本当にごめんなさい。
駄目出しの後、参加者達は少しホッとしたような様子で帰って行く。一日目の公演は無事終わっているので自信が付いているが、明日もある。また、主要人物の中で、明日来られない人もいる事が判明し、その対策を考える必要がある。

被災地を訪れた音楽隊。岡田さんの仲間のサックス奏者とワークショップ会場の館長さんのトランペットも助っ人で加わって、中々の迫力だ。

被災地を訪問する政治家。ボランティア達がしっかりしている事を確認し、安心して国会へ戻る。

子供が出来て幸せながらも、年上の妻の家族が金持ちなので、廻りから誤解されないように努力する夫。二言目に妻やこれから生まれる子供の自慢をする。

避難所でたまたま会ってしまった不倫相手。奥さんと同伴なのに放って置けず、相手が自分を振り向かないと悲しくなる。

やったつもりエアロビ教師とその助手。やる気まんまん、効果抜群らしいが、体を動かさないので見た目の地味さがうさんくさく際立つ。

災害で母を亡くした子供たちに優しく対応する父親。何気ない話の奥には深い気持が感じられる。

三重の舞台は、体育館の床のような設定で、椅子は両脇に並べてある。応援席から下の展開を見るような不思議な空間だ。
大概のことじゃ緊張せんが、
き ん ち ょ ー す る ぅ ー ー ー ! !
朝起きたらマジで
胃 が 痛 か っ た ー ー ー ! !
なんでかと言えば、
な に す る か ま だ 決 ま っ と ら ー ー ー ん ! !
ホントはこんなこと
し と る 場 合 じ ゃ な ぁ ー ー ー い ! !
初日終了!
出た。弾いた。演技した。喋った。笑いもとった(辛うじて)。そんでもって、よりパワーアップするための宿題をいただき、明日の2日目に臨むでごんす。
激励・心配ありがとさんでした。
イッセー尾形のつくり方(5)以降は、ぜんぶ終わってから書くわ〜。
そして本番当日。朝起きたら胃が痛かった。メシを食う気になれん。しかし四日目として書いた内容が、もしかして当日の昼間だったかもしれない。う〜ん、この辺の記憶は曖昧だ。間違ってたらご指摘プリーズ。
避難所のNo.15の区画に奥さんと子どもと3人で入ってから、自分の中で進展がない。自分は何者なのか、子どもと二人だけになるのか、それ以前にホンマに出番があるのか、あったとして訥々とあったかいこと言うのか、ヘンなこと入れるのか、さっぱりわからんちん。
スタッフの人から、アナウンスがあった。一応大まかに振り分けたので、それにそって区画に入ってください、○○さん・△△さん、1番へ、という具合。
僕はこないだ15番だったのだが、途中で、◇◇さん・▲▲さん、15番へ、なんて聞こえてくるじゃありませぬか!
"わっちゃぁぁ、出れねぇーーー"と落胆するワタシ。そしたら別の区画で呼ばれた。よかった。ふぅ。ひと安心。しかしそこにいたのは息子と娘。母を亡くした子供たちとワタシ、というシチュエーション。
そのあと、通しのリハが行われようとするが、時間がないので段取りの確認に重点が置かれる。流れだけを最低限アタマに叩き込む。誰の後に誰が入ってくるとか、このエピソードの後にこの事件が起こるとか。あるいは誰の後に自分はしゃべるか、とか。
大まかに説明すると、繰り返すがここは避難所だ。ワークショップの昼の部の人たちが、まず舞台の区画に入っている。設定は夜だ。鼾や寝言、寝息や寝返りがあちこちで聞こえる。そんな中、天井からスポットが照らされた区画の人が、上体を起こし、しゃべる。二人組なら順番に。二人の関係性がわかるように話すが、二人の話は"会話"ではない。関係ないことをお互いが順番にしゃべる。
そしてライトが消えると、途中でも黙って眠りに就かなきゃいけない。すべての区画の人がしゃべったところで、朝になる。
朝を迎え、多くの人が外へ出て行く。朝の空気を吸いに行くのか、顔でも洗いに行くのか。そして残された者たちの間で、ちょっとした出来事が起こる。
ケータイをやめない女。注意する者。告白する女。無視する男。出身地が津じゃないという理由で吊し上げられる男。思い込みで知り合いだと決めつけて話しかける男。そんなやりとりが脈絡なくかわされた後、場内アナウンスが流れる。避難所からの移動を伝えるアナウンスだ。
それを合図に、昼の部の人たちが舞台を降りる。夜の部の僕たちの出番がはじまる。
避難所へ入っていく順番と、入る区画は予め決められている。何組かが入った後で、僕らの番だ。僕のあとに息子、そして娘。ここで森田さんから指示が入る。
おねえちゃんは弟の手を掴もうとするが、弟は鬱陶しくて払いのけながら入場すること。父親は腰を下ろして初めて二人のやりとりに気づき、いきり立つ息子の名前を強く呼んで一喝すること。
それにそってもう一度入るシーンから。そして座って、しゃべり出す。
「トカゲをつかまえたらな、油性のマジックで名前を書くんや、・・・」
犬の話はやめて、トカゲの話にしようと思った。つかまえたトカゲに油性マジックで番号をふっておいてまた放す。すると脱皮の時期に皮が落ちていて、それを拾って見てみると「5」とか「2」とか書いてある、って話。ちなみにこれは大学時代の友人の実話。彼の子供の頃のエピソードだ。
だけど名前のところまで行かないうちに、次の段取りへ行ってしまう。う〜む。これではこの話でいいのかどうかの判断もわからないし、話したところでウケるのかどうかもさっぱりわからん。そんなことを思いながらも、男の子のしゃべるタイミングだ。
「僕ね、お友達と喧嘩しちゃった。でも放課後には仲直りしたよ」すると別の区画の老婆から
「あの子、おかあさん死んでおらへんのやでぇ」という心ない言葉が発せられる。
今回のアクシデントで母親を亡くした姉弟。弟を、息子を、"いかにも"じゃなく気遣う家族の様子を伝えるという、今回の登場する中でもちょっと異質な匂いのエピソードだと思う。
その後も、妙な布教活動の三人組が現れたり、輪唱する少年少女がやってきたりする。そして最後に、イッセーさんがやってくる。
ワークショップの途中で、イッセーさんは白衣を着た往診の歯医者とか、役所から来て菌がないか検査したり消毒したりする人とか、エアロビのインストラクターとか、小役人とかに扮して現れる、なんてことを少し聞かされてた。
リハでは冒頭に小泉純一郎に扮して現れ、避難者の入れ替え段階では"やったつもりエアロビクス"のインストラクターとして現れ、そして最後、僕らが区画にいる段階では、妙にキショイ色気を放つゴールドラメラメ女性シンガーとして現れた。現れてひとしきりいろんなことをしていくのだが、なぜかこの時はいきなり僕を指さして、「アンタ、アタシのこと、ずぅぅっとヤラシイ目で見てたっしょ?」とか言ってくる。
「アンタ奥さんいないんだって?アタシのこと狙ってんでしょ?」
固まる僕。応対していいのか悪いのかもわかんない。するとさらに追い打ち。
「そこんとこ、どうなのよ!」
ひぇーーーーー何?何?どーすんのよ!?そして僕の口から出たのは
「すいません、バレました・・?」という、フニャケたどうしようもない言葉。
「何よそれ!アンタはどうなのよ?」と次の男を指さすイッセーさん。
リハが終わっても、僕はパニックだ。
自分の出番は心許ないし、音楽隊はどうなってんのかわかんないし、オマケにイッセーさんの予期せぬツッコミにオロオロしただけの自分のダメさでテンション下がるし。朝飯もノドを通らなかったが、昼飯はもっと通らーーーん。
実はそのあとこっそりイッセーさんに聞きに行った。本番でもああいう風にされるんですか?
するとイッセーさんは言った。「ん〜、、ちょっとムリっぽいかな、、たぶん、やらない。やるかもしれないけど、99.、、%やらない、、」
おー。なんてこった。小粋な返しをできる者がいなかったので、せっかくの機会がなくなっちまったのだーーー。
そんなこんなで30分以上おして、いよいよ開演だ。最初、音楽隊として演奏した後、着替えて出演順を待つ。ワークショップ通りの力を出す人、思ったほどウケない人、なんでそんなにウケんの??って人など、実際にお客さんが入ると、その結果はまた全然違ってくる。いずれにしてもみんな、吹っ切っちゃってる。なんだかよくわかんないけど、緊張より昂揚が勝ってくる。
そして僕らの出番だ。立ち上がり、歩き出す。
僕ら家族の部分は、滞りなくやれた、、かな?トカゲの名前を「もこみち」にしたらウケたし。でも「アンソニー」はウケなかったな。キャンディキャンディ世代はいないのか?
終演後は、ダメ出しがある。スケジュール表にちゃんと、
20:30 終演(予定)
21:00 ダメ出し
って書かれてる。おそろしいことだ。
で、そのダメ出しがまたすごい。
すごいと言ってもコワイというのじゃなくて、森田さんの持ってる紙に、ビッシリと文字が見える。全てのシーンに対して順を追って、ここがこうだったと褒めながら、よりよくするためにこうしよう、という話をしてくださる。さっき終わった公演に、これだけ事細かくチェックを入れてもらってる、そのことに何よりも感激した。
僕の家族のシーンは、まず僕に対して、セリフが長かったな、と言われた。もっと明日は短くするように。ハイ。そして、おねえちゃんもセリフを言うことになった。実はおねえちゃんは今日の舞台で、弟の手をつかんで振り払われるだけじゃなく、自分の帽子を弟にかぶせるアドリブをして、弟はそれを遠くに投げたのだという。知らぬは父親ばかりなり。本番前に帽子をかぶってたのは知ってたけど、そういうプランがあったのネ。その考えが、とてもいい、と森田さんが言ってくれた。そして、セリフも言うことに。
だけどセリフも言うことに、つったって、与えられるわけじゃない。彼女は自分で明日までに考えなきゃならないのだ。
婆さんからの「あの子のお母さん死んだんやで」を受けて、「娘がしゃべって、それから僕ですか?」と森田さんに聞くが、「そんなことそっちにまかす、できるから」と言われておしまい。そうやって任されるのも、ちょっと嬉しかったりする。
ダメ出しが終わってから娘と話す。どうする?明日早くくる?