渋滞のも悪くはない
今日もまた円陣での稽古をしてから、何人かで組んで家族を作ってみる。最初は、居間などでの様子も描いてみるものの、設定は琵琶湖の辺のキャンプ場。ならば、そこへの行き来の車内も悪くはない。渋滞にはまった車の中も色々な話が出来そうだ。
キャンプ場での歯磨きも続き、うわさ話も飛び交う。新作もあれば、昨日の話の発展盤もある。
琵琶湖には、満月の夜になると空を飛ぶブラックバスが現れるそうだ。話が有名にならないのは、それを見た人はブラックバスにくわれるからだ。琵琶湖とアマゾンかわが地底トンネルでつながっているという話もある。また、その魚達は服を着て道を歩く時もあるらしい。初日の五円玉の話も未だ人気がある。
独自に方向性を見つけるチームもいれば、手助けが必要なチームもいる。ある男性参加者が張り切って話し過ぎると、演出家の森田が「お喋り禁止」を発令し、以後無言のまま車のハンドルを握らすとと、なにかを言いたい雰囲気がにじみ出て、なかなか味のある不倫カップルに発展する。
浜辺で、歯磨きをする四人の何気ない話し。「電動歯ブラシなのに、何で手を動かしてしまうだろう」と呟く女性。何が切っ掛けかわからないが、別の女性が何故か泣き出す。その側にいる彼氏らしい男性が、その光景を眺め、「いつもの調子に戻れて良かった」という。
年配の女性二人がグランドゴルフの話題で盛り上がる。意見がはっきりしており、周りの事を気にしない様子は見事だ。
気不味い仲になっている二人の女性社員。森田が原因究明をすると、どうやら給湯室での事故が原因らしい。「はっきりしようよ。あなた薄情なのよ。メール出したのに一週間も返事がないじゃないか。」
まだまだ発展途上ではあるが、ここもまたひと味違う公演が出来そうだ。また、森田は今回は参加者の殆どを巻き込む大きなからくりを作ろうとしている。以前、ドイツで見た舞台がきっかけらしい。平和だったはずのキャンプ場で死亡事件を起こす予定だ。行方不明者探しに次から次へと人が参加し、少しずつ速度を増しながら円を描きながら走っり出す。やがて、一人が倒れ、皆が無言のまま引いて行くと言う。簡単ながらも、聞くからに迫力がありそうな場面だ。舞台には既に円が描かれているが、今日はまだその稽古はしないので、明日の楽しみになる。
音楽隊も形が見えて来ている。今の段階ではピアノ、ギンベ、マラカス、カスタネット、レコーダー、ギター、チェロ、そしてノコギリが揃っている。音楽ノコギリを見るのは、一昨年メレットベッカーとフラジールの皆さんがカウントダウンライブの為に来日した時以来だ。
岡田さんの手にかかると、基本的なテーマを使い分け、楽器とテンポを変えるだけでも大きく応用が効くのが不思議だ。所が、その頼れるバンマスの岡田さんは別の仕事で本番には来られないらしい。今日は皆に稽古を付けてから、バトンを筆者に渡すそうだ。コンサートの仕事も多いものの、直接音楽に加わるのは数年振りなのだろう。それなりに緊張はするが、わくわくする。

実験的に大家族等の場面を作ってみる。本物に見えるかどうかは、位置関係などで大きく左右される。

色々な人間模様が、目の前で次から次へと展開する。まるで演劇を見ているようだ。

ぎこちないカップル。物理的な距離が二人の愛だの距離を反映している。

渋滞にはまった四人家族。キャンプ旅行への途中が、絆の正念場だ。

泣き出す彼女。「元の調子に戻れてよかったね」と、安心する彼氏。

各組の演技を鋭く観察する森田。追及が厳しくても、攻撃的ではないので受け入れられる。

気が付くと、栗東音楽隊が結成されている。何故か、音楽隊参加者は、演劇の方も引っ張り凧になりがちだ。